こども食器アドバイザーのおすすめ離乳食食器
2021.03.02スタッフコラム

総括編



みなさん、こんにちは。こども食器アドバイザーの伊藤ルリコです。
いよいよ今日で連載が終了ということで、まだまだ伝えたりないことがたっぷりあるのですが、
それはまたいつかどこかで!

今日は、iiwanをつくるメーカーとして、一人の母親として、
こども食器アドバイザーとして、離乳食全期を通して、子ども用食器の選び方についてまとめたいと思います。

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これまでのコラムももしよかったらご覧ください!



こども食器アドバイザー


  • うつわの役割

今から約10年前、iiwanチームに入るまでの私は、うつわ自体にそんなに強い興味もこだわりもありませんでした。
ところが、iiwanでご縁をいただいた方々と話をするうちに、
「うつわはただ食事を盛るための器ではないんだな」と感じるようになりました。

たとえば、ある漆器メーカーさんの話。
漆器を愛用されているご年配の方が、
「スーパーで買ってきたお惣菜も、この漆器に盛り付けてから食べるとおいしいのよね。」
と嬉しそうにお話されたそうです。

そして、我が家の話。
北海道出身の夫は魚が大好きなので、我が家ではよく焼き魚を食べるのですが、
焼き魚専用の器はもっていなかったので、サンマなんかは頭や尻尾がお皿からはみ出ていました。

たまたまiiwanでご縁いただいたセレクトショップさんで魚専用の平皿を見かけて、
なんとなく欲しくなって予約して購入したのです。

いつもと同じ焼き魚なのに、見た目においしそうで、頭も尻尾もちゃんとお皿におさまって(笑)
そして食べやすい。

「いままでよりも、なぜか魚がおいしいよね」って夫と話したことを覚えています。


そして毎日手に取るiiwan。
iiwanも同じうつわ。離乳食を食べる子どもは、私たち大人のように言葉で表すことができませんが、
私たち大人と同じように五感で感じとって、ちゃんと感情を体で表現します。

おいしい!とか、楽しい!とか、うれしい!を。

ベビー食器で食事するこどもゴクゴク、うまし!



「体に栄養を届ける食材と、心に栄養を届けるうつわ。」

私は、自分自身の経験と息子の離乳食育児から、うつわの役割をそんなふうに考えるようになりました。


  • 食事のじかんにすべてが凝縮されている

生後約半年から始まる離乳食から幼児食の期間は、人間の脳の発達が著しく、
私自身、離乳食を通じて子どもの成長を発見することは多いなぁと感じました。

これまで「飲む」だけだったのが「食べる」ことを覚えたり
「泣く」ことでしか表現できなかったのが、喃語や単語で食べたいものを主張できたり
少し前まで「ねんね」しかできなかったのに、手をつかってじぶんの意思で食べようとしたり。

驚くべきスピードでいろんなことができるようになっていく子どもの可能性は計り知れないものがあります。

だからこそ、子どもの五感を大切にはぐくみたい。

それには、実は、離乳食の時間がとても有効だったりします。

目で、楽しそうなママの顔を見ながらごはんの色や形の違いを知る
鼻で、素材のにおいを知る
耳で、ママの楽しそうな声を聴く
口で、いろんな味や食感を知る
手で、食材や器の大きさやかたさを知る

離乳食後期 離乳食食器 ランチプレート色々な食感や匂い、色や温かさを感じながら。



私は、この離乳食の時期は、栄養を摂ることももちろん大切なのですが、
子どもの身体的機能と情緒をはぐくむという側面から見ると、食べることそのものよりも、
親子で一緒に離乳食の時間を楽しむことのほうが大きな意味があるのではないかと思っています。



  • だからこそ食器は選んでほしい

一人の食器メーカーの視点で少しお話します。

たくさん試して分かったのが、世の中にある子ども向け食器の大半は、「ただ小さいだけの器」のように思います。

子どもが持てるだろうサイズ感の器やカトラリーたち。
細部まで目を凝らすと、口に入れる部分がギザギザのいい加減な仕上げだったり、
持つことはできても、小さな手になじむはずもない平坦な持ち手だったり、
かわいい絵が印刷されているものの、使っているうちに簡単に剥がれてしまったり。

だからこそ、親である私たちが、わが子のためにきちんと自分で見て選ぶ必要があると思いました。


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最後に、私がわが子の食器やカトラリーを選ぶときに大切にしていることをお話します。

まずは、親が扱いやすいこと。
・食べさせやすい
・洗いやすい
・壊れにくい


これは、離乳食期に限ってのことですが、離乳食期の大半は、親が子に食べさせてあげる期間です。
忙しいママにとっては、意外と大切な条件です。

次に、子どもが使いやすいこと
・持ちやすい
・すくいやすい
・口に入れて安心


食事を楽しいものだと感じてもらうには、不要なストレスをできる限り取り除いてあげることです。


そして最後に、離乳食期のみならず親子での食事が楽しくなるためには、
大切にしたいという感情が生まれてくる器であり、家族で一緒に使える器だったら最高だと思います。

ごはんが大好きな子どもさて、今日のごはんは何にしようかな~♪




こども食器アドバイザー 伊藤ルリコ